下総の細道(Life Is Like A Phantom)

百代の過客は月日にして行き来う年もまた旅人なり

「口伝」の重み

 NHKラジオ第一で毎週金曜の21:00からやっている高橋源一郎の「飛ぶ教室」で紹介された「木に学べ」を聞いて読んでみたくなって、我孫子図書館にあったこの本をかりてみました。

 指金に手ぬぐい被り、まさに私のおやじと同じスタイルは私の憧憬でもあります。

この歳で今さら何の技術も無いまま千年先のことを考えて物を作ることは出来ないと思いますが、これから百年先ぐらいは考えた仕事をしたいと思えました。

「おれは労働者やないんや。仕事というのは、事に仕えることや」

「事に仕えて意気に感ず」

労働は時間を切り売りすることで、仕事とは「事(こと)」に「仕える」のであって、会社や上司に仕えるのではなく、「なによりも銭金でははかれない価値で全生命をかけて仕事をしていると言う誇りがあった」と言うのも職人(日本の仕事人)の重みを感じられました。サラリーマン(月給に仕える)ではないのです。

 銭金にいとわずに何かをする人が職人そのものなのかもしれません。縄文人がまさに「役に立たないこと」を一生懸命やることで、争いが起きなかったとする説を何かの本で読んだのですが、縄文人魂が職人魂なのかもしれません。

 職人の中で育った自分の魂が揺さぶられたことは間違いありません。