下総の細道(Life Is Like A Phantom)

百代の過客は月日にして行き来う年もまた旅人なり

戦前史

 人口6千万人の昭和戦前史は何が起きていたのか知りたくて、ここ3ヶ月ぐらいの忙しいなかで以下の本を読みました。

「昭和の動乱(上)/(下)」重光葵

「戦前昭和の社会」井上寿一

 教科書で習った昭和史では知らなかった時代の背景が見えてきました。当時の時代の気分が分かってきました。

 片足を無くしながらも生き抜いて外交に奔走した重光の手記は、こう言う日本人も当時にいたのかと勉強になります。

・人口の増加に対して、農業だけでは食べて行けなくなっていた。

・農村の労働者の行き場に困っていた。

・工業社会の始まりに工場労働者が増加し始めていた。

世界恐慌になるまでの日本のバブル経済と格差の拡大。

・軍隊は食べられない地方農村の就職先だった。

・軍隊は世間からは蔑まれた存在だった。

ソ連赤軍革命が世界の潮流で、防共を唱えながらも地方から入隊した将校クラスはそこを目指していた。

・当時の日本の貧しい有権者は、軍が勝って活路を見出すと渇望していた。

・日本政府からすると満州事変は海外で起きた国内クーデター。

・軍部の暴走とよく言われるが、明治維新と同じことを目指した下剋上

統帥権の独立を主張した軍は政府のコントロール下になかった。

・ドイツは親ロシアな国で、ロシアの軍隊機械化はドイツ技術者が補助した。

三国同盟は日本政府は乗り気ではなく、ロシアを仲間にすることが大前提だった。

・ドイツに洗脳されていた陸軍が三国同盟を牽引した

ヒットラーバルカン半島を欲しかったための政治的判断でソ連侵攻し、結果的に三国同盟になった。

・アジアの独立の日本の戦中政策はアメリカも協賛していた。

日中戦争を上手く処理できていれば、太平洋戦争は避けられた?

 アメリカのバブルに世界中が踊っていますが、いつまた崩壊するやら。

「なめらかなお金がめぐる社会」家入一真

を息子が学校の図書館で借りてきて、少し斜め読みしました。資本主義経済からの人類の転換期なのかもしれません。

 刈谷に行った目的は仕事が欲しかった訳ではなく、残り7年の会社生活を読むために行ったことを仕事に忙殺されて忘れてはいけません。(自戒)