インターネットで最近紹介されていたこの本を読んでみました。戦記としての第一章が2/3程度を占めていますが、今の日本の製造業がおかれている状況がまさに旧日本軍と全く同じ状態であることに気が付かさせられる本です。
最前線は優秀でありながらも大きな組織をまとめられない、責任を取らない・信賞必罰をしない、と言う点でも良く合致しています。そもそもイノベーションは本書に出てくる「不均衡の創造」が必要なわけですが、「一丸」とか「平等」とか言ったコンサバティブで変化を嫌う組織の体質も瓜二つです。
このことを冷静に分析すると実は黒船来日・太平洋戦争敗北と外からの圧力でしか生まれ変われない国だと言うことがよく分かります。日産がゴーンさんで成功した理由も判ります。
この本が良い悪いはさておいて、製造業の一員としては今後の行く末を考えるための良い知識になりました。1984年と言う私が入社する前=バブル崩壊前のまだ日本が上り調子な時代に、このような本を出版していたことには、今日の日本をまるで教示していたかのようです。
エンジニアとしては、こんな話題も身につまされた、今日この頃です。
「沈みゆく会社から、なぜエンジニアは逃げ出さないのか?」
http://diamond.jp/articles/-/17486
「エンジニアは好きなことだけやってる? そんなのウソです」
http://eetimes.jp/ee/articles/1204/17/news095.html
もっとも、この人のように大学へ逃避するだけの才能がある人は、何も問題が無いとは思いますが・・・