下総の細道(Life Is Like A Phantom)

百代の過客は月日にして行き来う年もまた旅人なり

お江戸カイビャク

 何かのwebサイトで著者が紹介されていました。「二項対立からは何も解決しない」と言う言葉が気になって我孫子図書館で検索したらなんと3冊もありました。402p.もある東大生の修士論文ですが被爆我孫子の感心の高さが伺われます。

 「フクシマ問題の解決」に関する著者の結論はよく判りませんでした。

 「明治維新から始まった中央(東京)によるコロナイゼイション」と言う指摘は少し間違いで、都会による田舎の搾取と言う制度は、徳川家康による江戸カイビャク以来400年以上も続いた確固たる仕組みと言うことです。その制度自体は明治維新でも太平洋戦争でも崩れなかった日本の仕組みだと、私は考えています。平安時代も含めれば1200年以上でしょうか。

 福島の人達が「出稼ぎに行かなくなって良かった」と言う話が良く出てきますが、同じような境遇を田舎で体験をした最後の世代としては、身につまされるものがあります。

 今だってちょくちょく外国の人と仕事の話をすると極度に緊張するのに、福島のチベットと呼ばれた場所で、突然GEのエンジニアのアメリカ人家族とも交流するような初期の原発建設時代は、さぞや夢のような時代だったでしょう・・・